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「蜩ノ記」(葉室麟)

あいさつ

しばらくぶりでございます。今夜は「蜩ノ記」(葉室麟)についての感想を書こうかと思います。

その前に近況報告から。「読書メーター」というWEBサービスを利用し始めました。これは読んだ本を登録すると、読書記録としてページ数などが記録されていくものです。また、読んだ本に対して感想が登録でき、それがほかの読書メーターのユーザーさんに表示され、交流ができるというものです。

使ってみた所感としては、非常にいいものだと感じています。本の感想は、255文字までしか投稿できないのですが、この感想対してほかの人が「いいね」などのアクションをしてくれ、それが読書に対しての励みになります。また、ほかの人の感想も読むことができるので、その本に対する理解が深まるなと感じています。

今後は、読書メーターをしっかり使いつつ、こちらのブログではしっかりと長めの感想をまとめるようにしたいと思います。

本題

さて、本題の「蜩ノ記」の感想に入りたいとおもいます。

 本書は皆さんもご存知の通り、葉室麟先生の代表作であり、直木賞受賞作

でもあります。作品のあらすじは、Google先生にお任せしたいと思います。

あらすじ

豊後、羽根(うね)藩。

城内で刃傷騒ぎを起こした檀野庄三郎(だんの しょうざぶろう)は、家老・中根兵右衛門の温情で切腹を免れたものの、僻村にいるとある男の監視を命じられる。その男とは、7年前に藩主の側室との不義密通の罪で10年後の切腹と家譜の編纂を命じられ、向山村に幽閉されている戸田秋谷(とだ しゅうこく)だった。

秋谷の切腹の期日まで寝食を共にし、家譜の編纂を手伝いながら秋谷の誠実な人柄を目の当たりにするうちに、庄三郎は秋谷に敬愛の念を抱き、次第に秋谷の無実を確信するようになる。やがて庄三郎は、秋谷が切腹を命じられる原因となった側室襲撃事件の裏に隠された、もう1人の側室の出自に関する重大な疑惑に辿り着く。(Wikipedia蜩ノ記」より)

以下、私の感想をつらつらと述べていきたいと思います。

まずは泣き所の多い作品だなということです。源吉に対する書き方があざとすぎるし、後半にかけての事件の数々が、秋谷の姿が、ひたすらに泣かせます。

もう一つが志の尊さを感じさせる作品だなという事です。人の心は、単体では非常にもろく弱いものです。それを支えるために、宗教や芸術、娯楽、地縁血縁があるんだと思います。その中で、今作は秋谷の志の尊さを書いていました。よみながらあまりに清廉潔白な秋谷を見ているとこちらが息苦しくなりもしました。筆者はそういった侍の理想像に忠実な主人公を書くことによって、現代日本人に欠けているものを主張したかったのかなと思いました。

ともするとすこし説教臭くなってしまうような話ですが、それを感じさせないところに葉室先生の馬力を感じました。先生の「秋月記」とも同じような世界観を感じました。

おもしろかったです(小並感)

蜩ノ記 (祥伝社文庫)

蜩ノ記 (祥伝社文庫)